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アメリカには13年に一度大量発生するセミと17年に一度大量発生するセミがいて、それらは「素数ゼミ(周期ゼミ)」と呼ばれています。
2024年にその素数ゼミたちが同時に大発生するそうです。
13と17の最小公倍数「221」なので、計算上は221年に一度のビッグイベントとなります。
今回このビッグイベントに参加するセミたちの数は、なんと推定1,000,000,000,000(1兆)匹にのぼると言われているのです。
素数ゼミはどうして一斉に羽化するの?
身体はつや消しブラックで目はレッド、これはレッドアイズブラックドラゴンですね 笑
素数ゼミ(周期ゼミ)の13年と17年は、体のサイズや羽の色が多少違うようですがほぼ同じ見た目のようです。
2種のセミは同じ祖先から分岐したと考えられています。
寿命は長いのですが生涯のほとんどを土の中で過ごし、成虫になってからは1か月程度。
13年と17年どちらにしても気の遠くなるような年月を地中で過ごしたにもかかわらず、羽化する年もみんな一緒。
これには理由があります。
13年に一度もしくは17年に一度の発生イベントに合わせて繁殖することで、次の世代に「同じ周期で成虫になる」という遺伝子を伝えていくことになるからなのです。
大発生の年に羽化できなかった素数ゼミはパートナーを見つけることができず、子孫を残せないまま一生を終えることになります。
素数ゼミはなぜ13年と17年?他の素数じゃダメなの?
素数(prime number)とは、1と自分自身以外では割り切れない2以上の自然数のこと。
13と17は素数です。
13年や17年ごとに羽化する素数ゼミたちは、なぜわざわざ他の周期で発生するセミと重なりにくい「素数」を選んだのでしょうか。
素数の年に羽化する理由
13年周期で発生するセミが、例えば12年周期のセミと交雑したとします。
すると羽化する周期がずれた子供が生まれてきます。
周期のずれたセミは同じ周期の仲間と出会う確率が減り、結果的に子孫を残すことができません。
子孫を確実に残していくためには一定の周期を守る必要があるのです。
割り切れない周期年で羽化することで天敵や寄生虫の発生周期(3~4年)と重なりにくくなるということも、素数ゼミが数を減らさずに世代交代できる要因となっているようです。
13年周期と17年周期の素数ゼミだけが繁栄する根拠
静岡大学の吉村教授らによって行われたコンピュータによるシミュレーションでも明らかになっています。
10年~20年周期のセミが1年周期ごとに1,000匹ずついたと仮定して1,000年後の生存数を計算してみたところ、13年周期と17年周期以外のセミは絶滅したそうです。
13年(17年)周期のセミたちは他の周期のセミとの交雑が起きにくく、そのセミたちは13年(17年)という周期を子孫に引き継ぎます。
結果として、成虫になった時にはたくさんの同じ周期の仲間と出会うことができ、天敵や寄生虫と遭遇する確率が下がるのです。
また同時に大量に発生することで、天敵に襲われた際に生き残る確率が高まるということも重要です。
13と17以外の素数ではダメなの?
2・3・5・7・11・19・23など、他の素数ではどうでしょうか。
11以下の素数では他の周期のセミと出会うことが多くなり、交雑する可能性が高くなります。
また、セミの生物的な限界が17年程度であることから19年以上の素数ゼミは発生する可能性が低いようです。
ということで、結果的に13年と17年の素数ゼミだけが繁栄していくことになったのです。
次回の大発生は221年後?いいえ、13年後です
素数ゼミは13・17年という周期で羽化するというだけで、実は毎年のように発生しています。
発生する年ごとにグループ分けすると、理論上30グループ(17年17グループ・13年13グループ)が存在すると言われています。
すでに絶滅したグループもあるようで、現在確認されているのは15グループ。
特に大規模なグループは17年の10番と13年の19番、逆に17年の7番は絶滅の危機に瀕しているそうです。
今回2024年の大発生は、17年ゼミの13番グループと13年ゼミの19番グループでした。
そして、実は次回の同時発生は2037年なのです。
今回発生した13年ゼミの19番グループと17年ゼミの9番グループが13年後に同時発生。
221年後ではありませんでした 笑
#世界の果てまでイッテQ