クロマグロの漁獲量が増えれば、スーパーや飲食店での値段も安くなると期待されます。
しかし、2026年7月に長崎市で開かれた国際会議では、クロマグロの漁獲枠拡大について合意できませんでした。
最終段階でメキシコが反対したためです。
なぜメキシコは突然反対したのでしょうか。
クロマグロの値段が下がらない可能性とあわせて、わかりやすく解説します。
クロマグロ国際会議とは?

クロマグロ国際会議とは、太平洋クロマグロの資源管理や漁獲ルールについて、関係する国や地域が話し合う会議です。
クロマグロは広い太平洋を回遊するため、日本だけで漁獲量を決めることはできません。
日本、アメリカ、メキシコ、韓国などが協力し、資源を守りながら利用できる漁獲枠を決めています。
太平洋クロマグロは、一時期、乱獲によって資源量が大きく減少しました。
その後、厳しい漁獲規制が行われた結果、資源量は大きく回復しています。
日本周辺ではクロマグロが網に大量に入る地域も増えています。
しかし、決められた漁獲枠を超える可能性があるため、捕れたクロマグロを海へ戻さなければならないケースも発生しています。
そこで日本は、2027年以降の大型クロマグロの漁獲枠を25%増やす案を示しました。
一方で、将来の親魚となる30キロ未満の小型魚については、漁獲枠を6%減らす内容でした。
メキシコが反対した理由

メキシコが反対した理由は、クロマグロの資源保護そのものではなく、漁獲枠の配分にあります。
日本の案は、日本などが漁業を行う中西部太平洋の大型クロマグロを増やす内容でした。
ところが会議の最終日、メキシコは自国が主に漁業を行う東部太平洋についても、漁獲枠を増やすよう求めました。
メキシコの要求が調整案に反映されなかったため、メキシコは日本の案を基にした合意案に反対したのです。
太平洋クロマグロは、日本周辺で生まれたあと、太平洋を横断してメキシコ沖まで移動する個体もいます。
日本側だけの漁獲枠が増えれば、同じ資源を利用するメキシコ側は十分な利益を得られません。
メキシコには、クロマグロの資源が回復したのであれば、中西部太平洋だけでなく、東部太平洋の漁獲枠も増やすべきだという考えがあったとみられます。
つまり、メキシコはクロマグロを捕る量の拡大に反対したのではありません。
自国の漁獲枠も同時に増やすよう求めたものの、受け入れられなかったため反対したのです。
結局マグロの値段は下がらないの?

今回の会議で合意できなかったため、クロマグロの値段がすぐに大きく下がる可能性は低いと考えられます。
漁獲枠が増えれば、市場に出回るクロマグロの量も増えます。
供給量が増えることで、卸売価格や店頭価格が下がる可能性がありました。
実際に会議前には、漁獲枠が増えれば価格が2割から3割ほど安くなるのではないかと期待する販売店もありました。
しかし、今回の会議では漁獲枠拡大の合意に至りませんでした。
現在の枠が大きく変わらなければ、クロマグロの流通量も急には増えません。
そのため、クロマグロの値段がすぐに下がるとは考えにくい状況です。
ただし、マグロの値段は漁獲枠だけで決まるわけではありません。
魚の大きさや脂の乗り方、漁獲時期、輸送費、燃料費、為替相場、飲食店からの需要なども価格に影響します。
今後、別の国際会議で漁獲枠拡大の話し合いが進む可能性もあります。
クロマグロの資源量が回復していても、各国の利害が一致しなければ漁獲枠は増えません。
クロマグロの値段が下がらない背景には、魚の数だけでなく、国際的な漁獲枠の配分をめぐる難しい問題があるのです。






