千葉県の印旛沼水系で繁殖して増えているというカミツキガメ。
噛む力が強いうえに凶暴な性格のカメで、2005年に特定外来生物に指定されています。
このカミツキガメが実はとても美味しいカメで、フランス料理にも使用されているそうです。
カミツキガメとワニガメとスッポンの違い
カミツキガメとワニガメって見分けがつかないですよね。
並べてみればそれなりに違いがあるのですが、この2種のカメは生物的にも近い生き物です。
生息域の重なる地域ではハイブリッド(交雑種)の存在も確認されているようです。
カミツキガメ(snapping turtle)



カメ目カミツキガメ科カミツキガメ属。
アメリカ大陸に広く分布。
日本では千葉県の印旛沼水系で繁殖、静岡市でも野生の個体が確認されているようです。
噛む力が強く、性格は凶暴。意外に動きが早いのでとても危険な生物です。
最大甲長は約50cmで、甲羅は多少の突起がありますがほぼ平らです。
ちなみに、カミツキガメを発見した場合は「速やかに地元の警察署か役場に連絡してください」とのこと。
ワニガメ(alligator snapping turtle)



カメ目カミツキガメ科ワニガメ属。
北アメリカ原産で、現在アメリカではワシントン条約で輸出入を規制。
恐竜のような見た目で噛む力が非常に強い危険なカメですが、意外とおとなしい性格です。
大きな頭とカギ状の口先が特徴のカメで、最大甲長が80cmを超える個体もいます。
甲羅には突起があります。
食肉としてのワニガメの評価は「皮や内臓が臭く硬めだが味はおいしい」ということです。
スッポン(softshell turtle)


カメ目スッポン科スッポン属。
アジアからロシアの一部にかけて広く分布。
噛みついたらなかなか離さないことで有名なカメ。
古くから滋養強壮の食材として食べられていますが、実は野生の個体は絶滅危惧種(危急)に指定されています。
最大甲長約40cmで、英語名のsoftshell turtle(ソフトシェルタートル)の通り甲羅がやわらかいのも特徴です。
鼻先が尖っています。
カミツキガメは美味しい!どうやって食べるの?
カミツキガメは北米でよく食用にされていて、特にスープやシチューにすると美味しいといわれています。
肉は鶏肉と魚肉の中間のような味わいで、部位によって食感が異なるようです。
カミツキガメの代表的な調理方法
食材としては極めて優秀という評価で、唐揚げや鍋、ソテーなど様々な調理法でおいしく食べることができるようです。
1. カミツキガメのスープ
- 特徴: もっとも有名な調理法。アメリカ南部やフィラデルフィアの名物料理。
- 作り方の流れ
- カメの肉を下茹でして臭みを抜く。
- 玉ねぎ、セロリ、ニンジンなどの香味野菜と一緒に煮込む。
- トマトペーストや赤ワインを加え、ブイヨンで長時間コトコト煮込む。
- ゆで卵のみじん切りやシェリー酒を最後に加えると本格的。
2. カミツキガメのカレー煮込み
- 特徴: 香辛料を効かせることで、独特の風味を和らげる。
- 作り方の流れ
- 一口大に切った肉をスパイス(クミン・コリアンダー・ターメリックなど)で炒める。
- 玉ねぎ、ニンニク、ショウガを炒めてベースを作る。
- ココナッツミルクやトマトを加え、弱火でじっくり煮込む。
- ご飯やナンと一緒に食べると相性抜群。
3. カミツキガメの唐揚げ
- 特徴: 鶏肉に近い部位を使うと食べやすい。
- 作り方の流れ
- 肉をぶつ切りにし、塩・胡椒・ガーリックパウダーで下味。
- 小麦粉やコーンミールをまぶす。
- 油でカラッと揚げる。
- タルタルソースやホットソースで。
4. カミツキガメの煮込み
- 特徴: 日本のスッポン料理に近い雰囲気。
- 作り方の流れ
- 下処理した肉を酒・醤油・生姜で煮込む。
- ネギやごぼうと合わせると風味が良い。
- 土鍋でじっくり煮るとコラーゲンたっぷりの滋養食になる。
5. カミツキガメのバーベキュー
- 特徴: アメリカ南部風。
- 作り方の流れ
- 肉をマリネ液(BBQソース、蜂蜜、スパイス)に漬け込む。
- グリルでじっくり焼く。
- スモーキーな香りが加わり、野趣あふれる味わい。
- 日本ではカミツキガメは 特定外来生物 に指定されており、飼育・譲渡は禁止されています。
捕獲や食用利用についても自治体の許可が必要です。 - 下処理は必ず丁寧に行うこと(血抜き、熱湯での皮むきなど)。
- 衛生管理をしっかりしないと寄生虫や細菌のリスクがあります。
- 実際に調理する場合は自己責任でお願いします。
#所さんのそこんトコロ